顧客フォローを自動化するには|送信条件・停止条件・人へ戻す場面の決め方
契約更新の案内、定期報告、無料試用後の確認。顧客が少ないうちは、予定表と担当者の記憶でも回せます。件数が増える前に自動化したいと考えるのは自然です。
ここで日時だけを決めて送信すると、別の問題が生まれます。すでに返信があった人へ催促する。解約した人へ更新案内を送る。個別対応中なのに、通常の案内を重ねる。日付が合っていても、顧客の状態と合わない連絡は止めなければなりません。
最初に一件のフォローについて、送ってよい条件、止める条件、人へ戻す場面を決めます。これがそろえば、今の表を整えるだけでよいか、既存の顧客管理・配信機能を使うか、連携や個別開発が必要かを比べられます。

自動化の前に、一件のフォローを7項目で決める
自動化したい連絡を一つだけ選び、次の項目を書き出します。
| 決めること | 確認する内容 |
|---|---|
| 対象 | 誰に送るか。顧客番号、契約番号、対象サービスまで区別できるか |
| 起点 | 何が起きたら予定を作るか。契約締結、設置完了、試用開始など |
| 送信時期 | 起点から何日後か、基準日の何日前か |
| 送信条件 | どの状態なら送ってよいか |
| 停止条件 | 解約、返信済み、苦情、情報不足など、何があれば止めるか |
| 人への引継ぎ | 誰が、いつまでに、何を判断するか |
| 記録更新 | 送信日時、結果、次回確認日をどこへ戻すか |
停止条件は、送信条件と同じ重さで決めます。「契約日から3か月後」という日付が正しくても、すでに解約済みなら更新案内の対象外です。顧客の状態と送信予定を別々に管理せず、送信前に照合できるようにします。
「フォローする」という作業名だけでは、設定にも引継ぎにも使えません。誰に、何をきっかけに、いつ送り、どの状態なら止めるかまで書くと、一件の完了条件がはっきりします。
自動で送る連絡と、人が判断する連絡を分ける
自動化しやすいのは、対象と起点が決まり、送信前に必要な状態を確認できる連絡です。たとえば、設置完了が記録された顧客への翌日案内や、有効な契約に対する更新前の確認が該当します。
人が引き取るのは、契約条件が変わる場面、苦情や個別事情がある場面、記録が食い違う場面です。こうした一件では、文面の選択より先に会社としての判断が要ります。
同じ顧客でも、連絡ごとに扱いを変えます。定期報告の予定作成は自動、報告内容の承認は人。試用終了前の案内は自動、契約条件の確定は人。このように切り分けると、自動化の範囲を広げすぎずに済みます。
四つの進め方を、同じ条件で比べる
| 進め方 | 合う状態 | 決めておくこと |
|---|---|---|
| 現行運用を整える | 件数が少なく、送信前に担当者が状態を確認できる | 確認日、担当、送信済みの記録 |
| 既存機能を使う | 顧客管理・配信サービスの標準機能に条件を合わせられる | 顧客状態、配信停止、権限、変更担当 |
| 限定して連携する | 顧客記録と配信手段を残したまま使いたい | 渡す項目、更新方向、失敗時の確認 |
| 個別開発する | 固有の契約分岐や例外を標準機能で扱えない | 対象範囲、テスト、保守、手動へ戻す方法 |
件数が少ない段階なら、共有表に次回確認日と担当者を加えるだけで始められる場合があります。既存機能で7項目を満たせるなら、その設定を先に試せます。
限定連携では、顧客記録のすべてを配信側へ複製しません。送信に必要な番号、状態、基準日などへ絞り、送信結果をどちらへ戻すか決めます。連携が止まったときに、未送信の一件を人が見つけられることも条件です。
個別開発を選ぶのは、既存機能へ合わせると重要な分岐や停止条件が抜ける場合です。開発する機能の数から考えず、満たせない条件がどこに残ったかで範囲を決めます。
架空の例:無料試用から本契約までを管理する
以下は架空の例です。レンタル商品を14日間試用できる会社が、試用後の連絡を整える場面を考えます。
商品を設置し、試用開始日を確認したら、終了3日前の確認予定を作ります。送信対象は、商品を設置済みで、状態が「試用中」の顧客です。すでに本契約を選んだ顧客、撤去を申し出た顧客、苦情対応中の顧客、状態を確認できない顧客には自動送信しません。
顧客が本契約を選んだら、支払方法の確認を担当者へ渡します。契約しない場合は、撤去希望日の確認へ進みます。返信がなければ、決めた日まで待ち、その後は担当者が状況を確認します。「返信なし」を本契約や非契約へ勝手に置き換えない運用です。
この会社の決定メモ
- 既存の顧客一覧に、試用開始日、現在の状態、次回確認日を追加する
- 最初に自動化するのは、試用終了前の案内一通だけにする
- 本契約、非契約、苦情、情報不足は担当者へ戻す
- 送信日時、返信内容、次の対応を顧客一覧へ記録する
- テスト用の一件を最後まで通し、標準機能で足りない条件が残ったときだけ連携を検討する
このメモなら、配信設定を増やすことが目的になりません。試用中の一件が本契約、非契約、保留のどこへ進み、次に誰が動くかを追えます。
最初に一件を最後まで通す
実際の顧客へ送る前に、テスト用の一件で起点から記録更新まで通します。送ってよい状態では予定どおり進むか。停止条件では送られないか。人へ戻した後に、担当者が判断に必要な記録を見られるか。三つを確認してください。
その結果から、現行運用で続けるか、既存機能へ移すか、限定連携または個別開発へ進むかを決めます。完成の目安は、自動送信の本数ではありません。送ってよい連絡が届き、止めるべき連絡が止まり、判断が必要な一件を人が引き取れる状態です。
顧客の現在地、次の対応、担当、期限をどの記録で管理するか決める場合は、顧客情報を一元管理する前に|現在地と次の対応が分かる7項目へ進んでください。