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リサーチ自動化で社内情報はどこまで渡す?

リサーチ業務の自動化を提案され、見積には情報収集から候補の絞り込みまでが含まれている。便利にはなりそうでも、社内の情報をどこまで渡すのか、導入後も社員が何を確認するのかが分からず、発注を決めかねることがあります。

そんなときは、公開情報を集める仕事と、社内の条件に照らして候補を選ぶ仕事を分けられるか、発注先に確かめます。社内条件を渡さなくても、調べた情報が一覧になるだけで役立つなら、そこまでに範囲を絞る選択ができます。

リサーチ自動化で、公開情報の一覧と、外へ渡せる条件・社内に残す条件を分けて考える図。

集める情報と、渡す情報は別

企業の所在地や取扱商品を公開サイトから調べる場合でも、検索のために入力する条件は別に確かめます。たとえば、未発表の新商品名と進出予定の地域を組み合わせて外部サービスへ入力すると、調べる対象は公開情報でも、これからの販売方針が相手に伝わる可能性があります。

発注先には、入力する条件や添付資料が、どの委託先やサービスへ渡るかを説明してもらいます。社員が顧客名簿を業務で使えることと、その名簿を外部サービスへ渡してよいことも別です。社内利用が認められているという理由だけで、外部提供まで許可したことにはしません。

使う目的と渡す相手を確認し、許可できる項目を決めます。許可できない項目は社内に残し、それでも必要な調査結果が得られるかを考えます。

同じ卸先調査でも、戻る一覧は変わる

以下は、食品メーカーが冷凍食品の販路を広げるために卸先を探す架空の例です。実際の依頼を再現したものでも、知式の顧客事例でもありません。社内では東海地方を対象に、既存の取引先と商談中の会社を除いて探す方針とします。

公開情報の収集までを頼む場合

外部へ渡すのは、利用を認めた「冷凍食品を扱う卸会社」という検索条件まで。狙う地域や取引先の一覧は渡しません。納品してもらうのは、社名、営業地域、取扱商品に、出典と確認日を添えた一覧です。

この一覧から東海地方に対応する会社を選び、既存の取引先や商談中の会社を外す作業は社員が行います。公開情報を一社ずつ探して転記する負担が大きいなら、この範囲でも試す余地があります。ただし、一覧が広すぎて絞り込みに時間がかかるなら、その確認時間を含めて見直します。

許可した情報との照合も頼む場合

会社が外部提供を認めた対象地域と既存取引先の社名を、承認した処理先での照合に使う条件を加えます。商談中の会社の情報は引き続き社内に残します。

返してもらうのは、東海地方に対応し、既存取引先を除いた候補と、その判定理由です。営業地域が分からない会社は、対象外と決めつけず確認待ちで残します。社員は商談中の会社との重複や情報不足を確認し、実際にどこへ営業するかを決めます。

社内照合の一部を任せる分、使ってよい情報の範囲と、地域や取引先が変わった際の更新担当も決めます。

今回の範囲を三つの案から選ぶ

同じ調査でも、一覧を使う社員に何が残るかで選択が変わります。

今回の範囲選ぶ条件人に残る仕事
公開情報の収集・一覧化まで検索条件を外へ渡せて、一覧だけでも調べ直しを減らせる出典と内容の確認、地域条件の照合、既存先や商談中の会社との照合
許可した情報との照合も含む対象地域や既存先の情報を、指定の処理先へ渡すことを承認できる情報不足や判定理由の確認、商談中の会社との照合、条件の更新
導入を待ち、調査を整理する狙う地域や除外条件が曖昧、または利用許可や担当が決まらない手元の一覧を見直し、必要な項目と選定条件をそろえる

導入を待つ場合は、新たな外部入力を増やさず、手元の調査結果を使って条件を決めます。同じ会社を複数の社員が調べているなら、重複をやめて手順をそろえるだけで足りるかも確かめます。

仕組みを新しく作る以外に、既存ツールで一覧を作る、必要なときだけ調査代行を頼む道もあります。情報利用の条件を満たしたうえで比較し、連携が必要なら負担の大きい箇所へ絞ります。個別開発は、そうした方法で扱えない条件が残る場合に検討します。

残る確認時間と継続費も承認する

見積の比較では、導入費と利用料のほか、保守、検索先や照合条件の変更にかかる費用を分けてもらいます。社内条件を渡さない案にも社員の照合時間が残り、照合を含める案にも条件を更新する仕事が残ります。

発注前の確認には、候補一覧の見本を使います。担当者が出典を確かめ、情報不足を補い、営業候補を選ぶまでに、何を何回調べ直すかを確かめます。自動で集まる件数だけを見ず、この作業にどれだけ時間を使えるかを決めておけば、導入後の負担と比べられます。

利用許可、確認担当、残る確認時間、継続費のどれかを承認できなければ、今回は範囲を狭めるか、整理だけを進めます。導入後も、承認していない情報や処理先が必要になったら、その部分の利用を止めて再確認します。費用が不明な項目を、追加負担なしとして扱わないことも条件に含めます。

発注前に残す承認メモ

公開情報の収集までを選ぶなら、承認内容は次のようにまとめられます。担当者名や費用・時間の上限は、実際に引き受けられる内容を記入します。

  • 今回頼むこと:冷凍食品を扱う卸会社の一覧。社名、営業地域、取扱商品、出典、確認日を含める。
  • 渡す情報:承認した検索条件だけ。委託先と処理に使うサービス名も記入し、狙う地域、取引先、商談中の会社の一覧は渡さない。
  • 社内に残すこと:内容の確認と社内条件との照合、営業候補の決定。確認担当者名と調査一回あたりに確保する時間を記入する。
  • 費用と見直し:導入費、継続費、変更時の費用を確認する。確認時間や継続費の上限を超えたら、承認者が範囲縮小か停止を判断する。

外へ渡す情報を増やす前に、その情報がなくても役立つ一覧になるかを確かめる。そのうえで、足りない照合だけを追加するか決めれば、提案全体を一括で承認せずに済みます。