製造業で、顧客から納期を聞かれたら
納期回答が遅いときの確認方法 受注・工程・負荷を一枚で整理
顧客から納期を聞かれ、営業が工場や外注先へ電話し、複数のExcelを開いてもすぐ答えられない。問い合わせを受けた注文を一件選び、受注・工程・負荷・材料・最終更新を一枚に集めます。回答できる日、幅を持たせる日、現場確認後に折り返す日を分ける方法を、架空の記入例で説明します。
7項目を先に見る今日の問い合わせ一件から始める
納期回答は、問い合わせを受けた注文一件から確認する
「今月の生産は忙しい」だけでは、目の前の注文に答えられません。注文番号または案件番号を起点に、顧客の希望日、現在工程、残作業、各工程の負荷、材料、最終更新、未確認事項を同じ表で確認します。
最初から全社の生産計画を作り直す必要はありません。今日の問い合わせ一件について、確認できた事実と未確認事項を分け、誰がいつまでに確認するかを残します。
予定日をそのまま約束する前に
予定納期の日付だけでは、回答の根拠が分からない
予定日が一つ書かれていても、実際の進み具合、後工程の空き、材料や外注の見込みが更新されていなければ、その日付を顧客へ約束できません。
- 01今どこまで終わっているか
工程名だけでなく、数量、完了時刻、次へ渡せる状態を確認します。
- 02残りをいつ始めて、いつ終えられるか
後工程の前に待つ仕事、設備・担当者の空き、検査と出荷までを見ます。
- 03日付を動かす未確認事項があるか
材料入荷、外注先の受入と返却、図面・仕様の確認待ちを分けます。
一枚に集める項目
納期回答前にそろえる7項目
一つの欄へ長いメモを書くのではなく、事実の種類ごとに分けます。未確認の欄には、確認先と回答期限を残します。
- 01
注文の識別
注文番号、品名、数量、顧客希望日、顧客へ回答する期限を一件にまとめます。
残すこと:注文番号 / 品名 / 数量 / 希望日 / 回答期限 - 02
現在工程
今どこにあり、何個まで終わり、次の工程へ渡せる状態かを確認します。
残すこと:工程 / 場所 / 完了数量 / 仕掛数量 - 03
残作業
次工程、外注、検査、梱包、出荷まで、納品前に残る作業を順に書きます。
残すこと:作業順 / 完了条件 / 次へ渡す条件 - 04
工程の見込み
各工程の開始見込みと完了見込み、その前に待つ仕事や設備の空きを確認します。
残すこと:開始見込み / 完了見込み / 待ち / 負荷 - 05
材料・外注
不足品、入荷予定、外注先の受入可否と返却予定など、日付を動かす条件を分けます。
残すこと:必要数 / 確保数 / 入荷日 / 外注の返却日 - 06
更新責任
誰が、いつ、どの事実を確認したかを書きます。前回の予定を最新情報として扱いません。
残すこと:確認者 / 確認時刻 / 確認元 - 07
未確認事項
空欄で残さず、確認先、確認期限、顧客へ今伝えられる範囲を書きます。
残すこと:未確認内容 / 確認先 / 期限 / 現時点の回答
架空の特注部品注文
「9月5日に納品できるか」を一枚で確認する
8月26日、顧客から特注ブラケット50個を9月5日に納品できるか聞かれた架空例です。実在企業の納期、工程、改善効果を示すものではありません。
| 確認項目 | 確認できた事実 | 確認元・時刻 | 回答への影響 |
|---|---|---|---|
| 注文の識別 | 注文B-0826、50個。顧客希望日は9月5日。回答期限は8月26日15時。 | 営業担当 8月26日 9:30 | 9月5日に間に合うかを確認 |
| 現在工程 | 曲げ加工は30個完了。残り20個を加工中。 | 製造担当 8月26日 10:00 | 曲げ完了後に外注へ渡す |
| 残作業 | 曲げ残り20個 → 表面処理 → 受入検査 → 梱包 → 出荷。 | 工程表 8月26日 10:00 | 後工程を省かず日付を積む |
| 工程の見込み | 曲げは8月28日午前完了見込み。検査は9月3日、出荷は9月4日を仮置き。 | 製造責任者 8月26日 10:15 | 外注返却日が確定すれば再確認 |
| 材料・外注 | 材料50個分は確保済み。表面処理は8月28日発送、9月2日返却を仮予約。 | 購買担当 8月26日 10:20 | 外注先の確定回答待ち |
| 更新責任 | 営業責任者が14時に再確認し、15時までに顧客へ回答する。 | 営業責任者 8月26日 10:30 | 古い仮予約のまま回答しない |
| 未確認事項 | 外注先が9月2日返却を確定できるか。 | 外注先へ確認中 回答予定 14:00 | 今は9月5日を確約しない |
「9月5日を目標に確認しています。外注先の回答を受け、本日15時までに確定日を連絡します」
外注先の確定後、検査と出荷条件をもう一度確認してから納品日を約束します。確認結果に合わせて伝える
日付を答える、幅を持たせる、確認後に折り返す
日付を答える
残作業、工程の空き、材料・外注、出荷条件が確認済みで、回答根拠と更新時刻を説明できる。
伝える:納品日と、その日付が変わる条件幅を持たせる
一部に変動があるが、最早日と最遅日、その幅を決める条件を説明できる。
伝える:日付の幅、条件、次の確定時刻確認後に折り返す
材料、外注、重要工程、既受注との競合のいずれかが未確認。約束日を先に出さない。
伝える:確認先と、折り返す時刻同じ表を一週間だけ使う
確認が毎回止まる場所を調べる
納期問い合わせを一週間、この表で記録します。件数だけを数えず、どの項目が毎回分からなくなるかを見ます。現在工程の更新が止まるのか、外注先の返却予定が分からないのか、工程の負荷が担当者の頭の中にあるのかで、直す場所は変わります。
同じ確認先と同じ項目で繰り返し止まるなら、共有表、既存システムの小改修、専用システムの比較へ進む材料になります。
- 1日目問い合わせ一件で7項目を書く未確認には確認先と期限を入れる
- 2〜5日目確認が止まった項目を残す空欄を後から埋めて消さない
- 1週間後繰り返す停止場所を一つ選ぶ共有方法を変える対象を絞る
今日、問い合わせ一件で試す
未確認を空欄にせず、確認先と回答期限まで書く
今日受けた問い合わせを一件選び、注文、現在工程、残作業、工程の見込み、材料・外注、更新責任、未確認事項を同じ表へ集めてください。根拠がそろった日付だけを約束し、未確認なら折り返す時刻を約束します。
始める前の確認
よくある質問
Excelでも納期回答表を作れますか?
はい。問い合わせ対象の注文一件を一行または一つのまとまりにし、7項目を分けて記録すれば始められます。更新する人と時刻を決め、古い日付を最新情報として使わないようにします。
納期が確定できないとき、顧客へ何を答えればよいですか?
現在確認できている範囲と、誰がいつまでに確認し、何時までに折り返すかを伝えます。最早日と最遅日の根拠が説明できる場合は、条件と一緒に幅を示します。
予定納期が登録済みなら、その日を回答してよいですか?
現在工程、残作業、後工程の空き、材料・外注の見込み、最終更新時刻を確認します。根拠が更新されておらず説明できない場合は、確認後の回答時刻を約束します。