SYSTEM CUTOVER RUNBOOK
システム切り替え手順の作り方 当日に迷わない進行表8項目
作業順を並べただけでは、問題が起きたときに進むか止めるかを決められません。予定・実績時刻、実行担当、完了の証拠、判定条件と判定者、問題時の次の動きを一枚につなげます。
架空進行表を見る先に結論
切り替え手順は、六つの列で作ります
一行の作業が終わったことを確認し、次へ進むかを判断できる形にします。予定だけでなく、当日に実績と理由を書き込める余白も残します。
- 01予定・実績時刻予定と当日の開始・完了時刻
- 02実行担当その作業を行う人
- 03実行・確認何を行い、何を確認するか
- 04完了の証拠件数、時刻、対象番号、記録
- 05判定条件・判定者次へ進める条件と決める人
- 06問題時の動き誰へ連絡し、次に何をするか
作業だけ「データ移行完了」
→判定できる記録「受注件数と金額を旧新で照合し、事前合意した許容条件内なら業務責任者が記録」
作業と判断を分ける
技術作業の完了と、業務再開の判断は別です
開発会社はデータ反映や設定変更を完了できます。しかし、受注から請求まで通るか、残る差異を許容できるか、利用を始めてよいかは、業務側の確認が必要です。
実行の完了
反映、接続変更、バックアップ、ログ確認など、技術作業が予定どおり終わった。
業務再開の判断
重要なデータと業務が確認でき、決めた停止条件に当てはまらない。
切り替え前の準備
進行表へ入れる8項目
自社の業務と開発会社の作業を、同じ時系列へ並べます。
- 01
対象と範囲
今回切り替える業務、画面、データ、連携先を書く。対象外も同時に残し、当日に話が広がらないようにします。
- 02
業務を止める時刻と再開予定
旧システムの入力停止、新システムの利用開始予定、利用者への周知担当を決めます。停止中の注文などを受ける場合は、一時的な記録方法も決めます。
- 03
旧システムの最終データ
最終入力番号、件数、締め時刻など、どこまでを移すか判断できる印を残します。入力停止後に旧側へ追加されていないことも確認します。
- 04
バックアップと戻り地点
問題時にどの時点へ戻すか、バックアップ完了を何で確認するか、誰が復旧するかを書く。事前に復旧できることも確かめます。
- 05
作業順・所要時間・連絡先
前の作業が終わらないと始められない行を明示します。予定と実績時刻を分け、遅れたときの連絡先を書きます。
- 06
新システムで確認する業務
ログインだけで終えず、受注登録から在庫更新、出荷指示、請求連携など、止まると困る一連の業務を通します。
- 07
進行・停止・切り戻しの条件
主要業務が通らない、事前に合意した許容条件外または原因不明の差異が残る、戻し作業の開始期限が近いなど、自社で止める条件と最終判断者を決めます。
- 08
再開連絡と初日の支援
利用開始の周知、問い合わせ先、問題記録の場所、翌営業日に確認する項目を決めます。作業終了と安定稼働を分けます。
架空の記入例
受注管理システムの当日進行表
これは顧客事例ではなく、書き方を示す架空例です。時刻と判定条件は、自社の業務停止可能時間、データ量、復旧所要時間へ置き換えてください。
| 予定・実績時刻 | 実行担当 | 実行・確認 | 完了の証拠 | 判定条件・判定者 | 問題時の動き |
|---|---|---|---|---|---|
| 実績 ____ | 営業責任者 | 旧システムの入力を止める | 最終受注番号、件数、停止時刻 | 入力停止を確認判定者: 営業責任者 | 未完了なら切り替え開始を止める |
| 実績 ____ | 業務担当 | 最終データを出力する | 件数、出力時刻、保管先 | 出力完了・受領を確認判定者: 開発担当 | 欠落があれば再出力 |
| 実績 ____ | 開発担当 | バックアップと復旧担当を確認する | 完了記録、戻り地点、担当者名 | 復旧可能なら開始承認判定者: 業務責任者 | 確認できなければ移行しない |
| 実績 ____ | 開発担当 | 新システムへデータと設定を反映する | 終了時刻、処理件数、エラー有無 | 重大エラーなしを確認判定者: 開発責任者 | 重大エラーなら停止 |
| 実績 ____ | 業務担当 | 件数・金額・代表データを旧新で照合する | 照合表、差異、原因、許容条件、確認記録 | 事前合意した許容条件内を記録した場合だけ次へ判定者: 業務責任者 | 許容外または原因不明なら停止 |
| 実績 ____ | 利用部門 | 受注から請求連携まで一件通す | テスト番号、在庫結果、帳票 | 主要業務が通る判定者: 業務責任者 | 通らなければ切り戻し候補 |
| 実績 ____ | 連携先担当 | 会計など周辺システムの受信を確認する | 受信時刻、対象番号、結果 | 周辺側の受信を確認判定者: 連携先責任者 | 未受信なら原因確認 |
| 実績 ____ | 最終判断者 | 進行・停止・切り戻しを決める | 判断、時刻、理由、判断者名 | 停止条件に該当しない判定者: 最終判断者 | 条件未達なら決めた期限までに戻す |
三つの判定
進める・その場で止める・旧システムへ戻す
進める
必須の証拠がそろい、差異がないか、事前に合意した許容条件内で、停止条件へ該当しない。利用開始の周知へ進みます。
その場で止める
戻し判断の最終時刻まで余裕があり、原因確認で解消できる可能性がある。新しい入力を始めずに調べます。
旧システムへ戻す
主要業務が通らない、事前に合意した許容条件外の差異が残る、復旧に必要な時間を考えると判断期限を超える。
具体的な停止条件、差異の許容条件、復旧に必要な時間は案件ごとに異なります。最終時刻、許容条件、判断者は、当日ではなく計画時に合意します。
本番前の更新
リハーサルは、同じ表で行う
本番に近い時間帯、担当、手順で一度通し、予定時刻の横へ実績を残します。表を読む会議だけで終わらせません。
- 01
時間が延びた行
次の作業と戻し期限へ与える影響を反映する。
- 02
担当が迷った行
連絡先、判断者、代行者を具体化する。
- 03
証拠を残せなかった行
何を記録すれば完了と言えるかを書き直す。
当日に使える一枚へ
進行表を、同じ六つの列にそろえる
切り替え手順では、予定と実績、実行担当、完了の証拠、判定条件と判定者、問題時の動きを、同じ一枚で見られるようにします。
まずは作業一覧を、予定・実績時刻 / 実行担当 / 実行・確認 / 完了の証拠 / 判定条件・判定者 / 問題時の動きの六列にそろえます。受入テストとデータ移行照合の結果を、そのまま証拠として結び付けてください。